
スカンジナヴィア諸国でもっとも人口が多い上に、夏は観光客が各地から訪れるストックホルム。
この街は伝統を守る一方で国を挙げて文化芸術振興に注力しているため、いたるところで作品を目にします。



ストックホルムの街並には、現代の建物と中世時代のものとが混在しています。その佇まいはいかにもヨーロッパという趣を感じさせてくれますが、かといって伝統に縛られている様子は全くありません。国を挙げて文化芸術振興に注力しているため、街の所々にはアーティストによって自由にペイントされた牛の像があり、オペラハウスの前を流れるノール運河には空を指差す巨大な手が浮かんでいたりします。「アートは一部の好事家たちのものではなく、生活と共にあるべきだ」という考え方の表れなのだそうです。
恐れ入ったのはストックホルム市民の足である地下鉄。100駅あるうちの60の駅の内装が、アーティストによって思い思いに手掛けられており、地下鉄自体が巨大な現代アートの美術館になっています。
ただ、かなり地下深くに駅があるので夏でもプラットフォームは肌寒く感じます。じっくり鑑賞するには上着を手にしていくべきでしょう。
また、街全体に緑が多く、公園では噴水の周りで裸の子供達が遊んでいます。市庁舎前の広場でさえ日光浴を楽しんでいる姿が見られ、ここでも北欧の人々の太陽好きがわかります。
市庁舎の塔を展望台まで登ると、ストックホルムの街とガムラ・スタンが一望のもとに見渡せます。地上100mの心地よい風に吹かれながら眺める景色こそ、ストックホルム一のパブリックアートといえるかもしれません。



スウェーデンの首都ストックホルムは、13世紀にスタッツホルメン島に城砦を築いたことからその歴史に幕を開けました。現在この島は旧市街ガムラ・スタンとして多くの観光客でにぎわっています。
中世ヨーロッパの名残を感じさせる街並みの中を、石畳を足下に感じながら大広場に向かって歩くと、所々にストリートパフォーマーの姿を見かけます。
全身を銀色にペイントして彫刻のように微動だにせず、チップを落としたとたんにロボットのような動きで一礼し、ボールを使ったジャグリングを始めます。すると、たちまち狭い通りが人だかりで埋まってしまう…そんな一コマもガムラ・スタンらしい空気を感じさせてくれます。
大広場のそばで、マーチの音が聞こえたら、軍楽隊が行進するようすを見られるチャンス。勇ましいドラムの音とともに、王宮から行進して広場に整列し、指揮官の号令の後、再びマーチが始まり王宮へと行進していく彼らの後姿を、広場にいるものすべてが盛大な拍手で見送る一体感は、まるでガムラ・スタンというステージでライブに参加したように感じられますよ。